先日、越前岬沖の急潮の論文発表についてご報告しましたが、越前岬付近の鷹巣(福井市)において、「海況リアルタイムモニタリングの効果的な適用・利用方法」を追求する研究を展開することになりました。論文が理論とするのであれば、海況モニタリングは海洋環境科学の知見を社会で「実用化」することを目指した研究となります。難しそうですが、文部科学省・科学研究費の課題研究の予算(今年度より3年間)を得ましたので、「いままでの準備+この予算」で挑戦できることになりました。よかった!
越前岬周辺の流れは複雑な地形の効果や対馬暖流の影響などにより、変化が激しく、強流もしばしば発生します。一方で好漁場としても知られており、リアルタイムで海況モニタリングできたら、有効に機能するのではないかと考えていました。まずは、リアルタイムブイの安定稼働を目指し、現場で使ってもらおうと思います。
8月27日に設置し、その直後に大型台風21号の洗礼もあびましたが(気が気でなかったのですが幸いなことに、なんとか大丈夫でした。。)、テスト期間を終えて運用を開始しました。データは公開していますので、どうぞご利用ください。
http://www.s.fpu.ac.jp/kaneda/wao_watch/buoy02/plot.html
1週間より前のデータは、こちらでご覧ください。
http://www.s.fpu.ac.jp/kaneda/wao_watch/buoy02/ptop.html
本研究グループのトップページからも入れます。
http://www.s.fpu.ac.jp/kaneda/index.html
(丹生定置(美浜町)と鷹巣定置(福井市)の2箇所になったので、間違えないようにご注意下さい)
現場での活用方法、つまり「どのようなデータがどのように活用されるのか」、「操業コストの削減」、「波浪情報などによる安全面の向上」などの効果を気にしています。厳しい環境のなかで運用するので不安ですが、漁師さんや当海域に詳しい皆さんのコメントを聞きながら運用を進めていきます。
設置・運営に当たり、鷹巣定置網の船頭をはじめ関係者の皆様には多大なご協力を頂いております。また福井県水産試験場・福井県水産課にも周辺海域の情報を頂きました。お礼申し上げます。
様子を聞かれる時がありますので、写真で「リアルタイムブイ」や設置時の様子をどうぞご覧下さい↓
稼働しているリアルタイム観測ブイと流速センサー。軽量で、うちのような少人数の研究室でも運べます。
現場の様子。観測好きなうちの女子学生も参加。プログラミングより、現場がいい?!
どっちもがんばってください。
さて、大学では後期の授業が始まるね。準備せんと。。